2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ複合DLC表面改質による炭素繊維強化プラスチックの高機能発現
Project/Area Number |
18760074
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
中村 雅史 Ibaraki University, 工学部, 講師 (60302329)
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Keywords | 表面改質 / DLC / 炭素繊維強化プラスチック / 機械材料・材料力学 / 構造・機能材料 / トライボロジー |
Research Abstract |
本研究では、次世代ナノコーティングによって格段に優れた耐摩耗性、潤滑特性をもつ高機能化CFRPを開発する。すなわち、皮膜のナノ・ミクロ構造を最適に制御してCFRPに適用できる「やわらかいDLC皮膜」を開発し、CFRPの耐摩耗性と靱性をともに飛躍的に改善する。特に、皮膜の密着性の改善と皮膜の割れの防止を目的とした。 本年度は、エンプラの耐摩耗性を向上させるためにDLC表面改質をするにあたり,課題である密着性を改善するために基材と皮膜との中間層に複合的な処理を行うことを試みた.すなわち、エンプラ表面を微粒子衝突処理で粗さを与え、その上のDLCとの中間層を銅メッキ、ニッケルめっき、クロムめっきを数10〜数100μm程度の厚さで施し、段階的に硬さを変えた硬度傾斜中間層を作製し、この中間層が皮膜の密着性および表面耐摩耗化に及ぼす影響について評価を行った。DLCの製膜はRFプラズマCVD装置を用いた。また、摩擦摩耗試験にはボールオンディスク試験機を用いて金属材料と同等の試験条件にて試験を実施した。その結果、以下のことが分かった。すなわち、(1)表面を微粒子衝突処理を施した材料は、施していない材料に比べDLCの密着性が向上した。これは表面積増大によるアンカー効果が発現したもと考えられる。しかしながら表面粗さが均一でない場合は密着性が低下することが分かった。(2)エンプラ材料への中間層としての硬度傾斜メッキ処理はDLCの密着性改善に有効である。すなわち、最表面にクロムメッキを施した材料は飛躍的に耐摩耗性が向上し被膜の剥離も認められず密着性も向上することが分かった。
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