2006 Fiscal Year Annual Research Report
FRPのマルチスケールクリープ変形・損傷解析および実験的検討
Project/Area Number |
18760075
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松田 哲也 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 講師 (90345926)
|
Keywords | 均質化理論 / マルチスケール / FRP / クリープ / 高温 |
Research Abstract |
本課題では,FRPのクリープ挙動を均質化理論に基づきマルチスケール的に解析する手法を開発することを目的とし,研究を進めでいる.本年度の研究成果は次のようにまとめられる. 1.FRPのクリープ挙動をマルチスケール解析するにあたり,まず,最も単純な場合として一方向強化FRP(ラミナ)を解析対象に考え,そのクリープ変形を均質化理論に基づき解析した.このためまず,研究代表者らが提案した時間依存変形の均質化理論に関して検討を行い,一方向強化FRPのクリープ変形解析に対応し得る理論展開を行った.さらに,理論に基づき計算アルゴリズムを構築し,それに従い解析コードを作成した. 2.次に,作成した解析コードの妥当性を調べるため,主軸方向(繊維軸方向)および非主軸方向に負荷を受ける一方向強化FRPのクリープ変形解析を行い,その結果が文献などで見られる一方向強化FRPのクリープ挙動を定性的に再現することを確認した. 3.つづいて,本解析法を積層板の場合に拡張した.まず,時間依存均質化理論に積層理論を導入し,FRP積層板のクリープ変形が解析可能な定式化を行った.さらに,この場合の解析コードを開発し,上述の一方向強化FRPの場合と同様の解析条件にてクロスプライおよび擬似等方積層板のクリープ変形解析を行い,本解析法の妥当性を確認した. 4.さらに,本解析法の定量的有用性を調べるため,CFRP積層板の高温クリープ試験結果と本解析法による解析結果を比較・検討した.この結果,両者がかなり良い精度で一致することが確かめられた.
|
Research Products
(6 results)