2007 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブのナノネットワーク構造制御による複合材料の高性能化
Project/Area Number |
18760078
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
島村 佳伸 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (80272673)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 複合材料 / 配向制御 |
Research Abstract |
本年度はまず,カーボンナノチューブを含む3種類のカーボンナノファイバーを用いて,それぞれ交流電場により樹脂中で一方向に配向された/エポキシ複合材料を作製し,配向の有無およびフィラーの違いが熱・電気伝導特性,機械的特性に及ぼす影響を実験的に検討した。その結果,以下のような結果が得られた。 (1)熱伝導率に関しては,配向が部分的にでも可能な場合かつナノフィラーの長手方向の伝導性が十分に高い場合には,配向方向の熱伝導率が有意に向上する。 (2)電気伝導率に関しては,配向が可能な場合には,パーコレーション閾値以下でも導電性を発現する。 (3)機械的特性に関して,配向の影響はさらに検討する必要がある. 次に,本手法を長繊維を含む3相系複合材料へ適用するために,まず従来の炭素繊維,カーボンナノチューブ,エポキシからなる3相系複合材料の成形をハンドレイアップならびにVaRTM成形により試みた。樹脂の流動性の観点から,ナノチューブ含有率が増加するとVaRTM成形は困難になること,またハンドレイアップにおいても含有率の上限があることを確認した。また,成形した平板の電子顕微鏡観察ならびに熱伝導率,電気伝導率の計測を実施し,カーボンナノチューブがその熱・電気伝導特性に及ぼす影響を実験的に検討した。その結果,ナノチューブ充填の効果はあること,長繊維がフィルタの役割を果たすため平板内部へのカーボンナノチューブを分散にはより検討が必要であることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)