2008 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブのナノネットワーク構造制御による複合材料の高性能化
Project/Area Number |
18760078
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
島村 佳伸 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (80272673)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 複合材料 / 配向制御 |
Research Abstract |
平成18年度〜平成19年度にかけて, カーボンナノチューブ分散熱硬化性樹脂の硬化時に交流電場をかけることにより配向制御が可能なことを明らかにし, その機械的性質, 電気伝導率, 熱伝導率について検討を実施した. さらに, カーボンナノチューブを従来の長繊維強化複合材料積層板に添加した三相系複合材料の成形を試みたところ, 従来使用してきたカーボンナノチューブでは, 成形時に強化繊維(長繊維)にフィルタリングされてしまい, 均等な分散が困難であることが示された. 以上の成果に基づき, 平成20年度は以下の検討を実施した. 1. 細径のカーボンナノチューブを用いた二相系複合材料の導電率・熱伝導率の測定とその検討 三相系複合材料の作成により適していると考えられる直径の細いVGCF-Sを本年度は採用し, まずはVGCF-Sとエポキシ樹脂の二相計複合材料の導電率・熱伝導率の測定とその検討を実施した. その結果, VGCF-Sを用いた複合材料は従来用いてきたVGCFにくらべて電気的特性は向上するが, 配向制御が可能な含有率が低下することを明らかにした. 熱伝導率に関しては, いずれのフィラーも配向制御が可能な含有率では, 有意な熱伝導率の向上が見られた. 2. カーボンナノチューブ/ガラス長繊維/エポキシ複合材料における配向制御 カーボンナノチューブをエポキシ樹脂中に分散させたものとガラス長繊維クロスを組み合わせた三相系複合材料の成形時に電場を印可しながら配向制御を実施した. その結果, 本手法により, 配向制御が可能であることが示された.
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