2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760094
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
釜田 康裕 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (10418676)
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Keywords | 切削 / MQL / CAE / 工具摩耗 / CFD |
Research Abstract |
本研究では,MQL切削において油剤使用量のさらなる削減のために,オイルミストの流れを制御することにより加工点へ効率よく切削油剤を供給する手法を検討している.その手法として,切削試験による検討に加え,加工域近傍の流れ場を数値流体解析により把握し的確に工具刃先へ油剤を供給する方法を検討している.本年度は難削材であるインコネル718の旋削における仕上げ加工を対象としてMQL切削試験ならびに解析を実施し,以下に示す成果を得た. 1.市販のオイルホール付きバイトを用いたMQL切削の場合,オイルミストの到達量の解析結果ならびに摩耗試験結果がともに同一の最適な噴射圧力であった.このことにより,刃先近傍に到達するオイル量と工具摩耗に密接な関係があることを見出し,MQL切削の適用に際しては,オイルミストの流れ場に対する理解が重要であることを示した. 2.オイルミストを的確に刃先に供給するために,オイルミストの噴射位置ならびに噴射角度を変化させて摩耗試験により工具寿命を評価した.結果,前逃げ面側から45度の角度で刃先に向かってオイルミストを噴射させることで,刃先に効率良くオイルミストが到達し工具寿命が延長されることが分かった.また解析により,刃先近傍のオイルミストの流れは噴射位置・噴射角度の違いにより,流れ方が異なることが分かった. 3.ボルテック・チューブを供給装置に組み込み,工具刃先における冷却効果の向上を図った結果,圧縮空気の温度低下が10度程度であってもMQL切削の工具摩耗抑制効果が向上することが明らかになった. 4.上記の結果を元に油剤使用量を低減させ切削実験を実施した結果,圧縮空気による冷却効果,噴射圧力を適切に設定することで,1時間当たり100マイクロリットルオーダーの油剤供給量(従来10〜100ml/h)でも湿式切削と同等の摩耗抑制効果が得られることを示した.
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Research Products
(6 results)