2006 Fiscal Year Annual Research Report
高精度X線ミラー作製のためのナノ精度表面形状転写法の開発
Project/Area Number |
18760100
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三村 秀和 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (30362651)
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Keywords | 電鋳 / X線ミラー / ナノ精度 / 転写 |
Research Abstract |
本研究では、高精度に平滑化された表面を転写により実現することを目的とし、具体的には、ナノメートルの表面粗さが要求されるX線ミラーの転写による作製を目指している。本プロセスは電鋳法をベースとしており、今年度、電析実験装置を準備とそれを用いた基礎的検討を実施した。 表面粗さをナノメートルレベルで転写するためには、電析において良好な金属析出を行う必要がある。電鋳で用いられている金属はNiである。Ni析出において、溶液pHや温度、電流密度を制御することで、内部応力が容易にコントロールできるとされ最も一般的に用いられている。 しかしながら、通常の1A/cm2オーダーの電析条件では、金属析出内部に気泡発生によるピットや内部欠陥の影響のため、多大な内部応力が発生し、それが転写表面に影響する。本研究では、良質な金属析出を実現するために、低電流電析条件での検討を行った。具体的に、様々な電流密度において、実験を実施し、転写表面の評価を実施した。 その結果、転写表面において、Siウエハと同等の0.1nm(RMS)オーダーの表面粗さを数10mm領域における位相シフト干渉顕微鏡による評価とAFMによる評価で確認した。本結果から、X線の反射率に十分な表面粗さを実現し、来年度のX線ミラーの作製につながると期待できる。
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Research Products
(1 results)