2007 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー吸収特性を有する金属中空球超軽量多孔質材料の開発研究
Project/Area Number |
18760101
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
吉村 英徳 Kagawa University, 工学部, 准教授 (30314412)
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Keywords | バルジ加工 / パイプ / 中空金属球(MHS) / ドーラス金属 / 曲げ変形 / 串団子 |
Research Abstract |
自動車の低燃費化によるCO_2排出量の削減および衝突安全性の向上を実現するための新素材として注目を浴びている軽量かっ高剛性,高エネルギー吸収特性をもつ超軽量ポーラス金属材料(中空金属球(MHS)成形体)について,更なる高信頼性かつ安価な製造ができるよう,ポーラス金属の構成要素となる串団子状の中空金属球列の製造方法について検討した. (1)ゴムバルジ加工による串団子状中空金属列の製造法の検討 低コスト化としては、従来の粉末冶金法に比べ、大量生産性に優れる塑性加工法の適用を図り、肉厚0.1mmの直径φ3mmもしくはφ3.6mmの薄肉パイプを試験片として、それを型内で串団子状の直径φ5mm中空金属球列の製造実験を行った。φ3mmでは溶接部で破断したため、φ3.6mmで行った結果、破断することなく張出すことができ、目標寸法の中空金属球列が作製できた。 安定した加工を目的とし、割れなどを抑制するため、複数列を同時に作る方法とゴムの摩擦を利用して軸押し効果を与えて1個ずっ作製する方法を試行した。φ3mmの球で1個ずつ作製して割れ限界が向上することは確認したが、完全ではなく、直径φ3.6mmの薄肉管を用いて作る揚合には、軸押し効果がなくてもどちらの加工法でも製造可能であった。また,ゴムの挿入に手間がかかることから、ゴムの代わりに簡易液圧バルジを行って量産ができることも確認した。 (2)串団子状中空金属球列の性能評価 作製した串団子状中空金属球列を用いて圧縮および引張り試験を行った。通常のポーラス金属は数%引張りひずみで破断するが、数珠繋ぎ状で一体成形することで数十%程度の破断伸びを示した。部材の曲げ外側において容易に割れが生じてエネルギー吸収効果がなくなることは回避でき,高信頼の吸収材として実用化できるものと考えられる。
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