Research Abstract |
申請したH20年度の研究内容は, H18, 19年度に開発した串団子状金属中空体を成形固化して超軽量ポーラス金属成形体を作成し, その圧縮や曲げ試験により機械特性を調査し, 自動車の軽量化, 衝突エネルギー吸収部材としての適用可能性について確認することにあった. 従来の粉末冶金法による中空金属球成形体では球同士が点接触のため, 引張・曲げ強度が極めて低かったのに対し, 薄肉・小径管からバルジ加工で製造した当成形体は曲げ強度が大きく, ピラー等側面衝突部材にも適用できることが分かった. 実験及びFEM解析により, 初期段階での曲げ押込み工具下での圧縮, 引張強度に強い隣接球の接続部, 隣接する球同士の接触による圧壊によってエネルギー吸収が行われていることが得られ, この構造材料の効果が明らかとなった, また, 圧縮部材としても, 0%圧下近くまでプラトー応力が見られ, 従来品と同等もしくは良好なエネルギー吸収性を発揮することが分かった. また, 粉末冶金法と異なり, 球サイズや球間隔が高精度に作れるため, 均質な高信頼性の材料となるだけでなく, 串団子の並べ方を容易に変更でき, 異方性や密度などの制御性が高く, ニーズに応じた性能の材料を作成できることも分かった. 実生産を行うたは, 高温エアバルジ成形, 串団子状中空体の固化技術などの検討が残されているが, 基礎的な製造法や材料の性能確認は終了し, 塑性加工による大量生産および低コスト化が図れることから, CO2排出量削減のための軽量化新材料として極めて実用化に近づけたと言える.
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