2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲル構造ER流体を応用したマイクロ加工用フィクスチュアデバイスの開発
Project/Area Number |
18760104
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柿沼 康弘 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (70407146)
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Keywords | ナノ・マイクロ加工 / フィクスチュア / 機能性材料 / ER流体 / ゲル |
Research Abstract |
研究背景と目的 マイクロ切削加工において薄肉のワークピースを低歪みで固定する技術や加工物表面のアライメントを調整する技術は熟練技能者の経験に依存するところが多く,手間と時間を要するのが現状であり,解決すべき問題の一つに挙げられる.そこで本研究では,片側電極を適用したERGをマイクロ切削加工用の固定機構に適用することで,電気的に固定力とアライメントを同時に調整可能なフィクスチュアデバイスを開発することを目的とした.本研究は2年間の計画で遂行され,平成18年度の計画としては,(1)片側構造電極におけるERゲルの基本特性解析と最適電極形状の開発(2)ERゲルを用いたマイクロアライメント調整機能付ききフィクスチュアデバイス(ERGフィクスチュア)の設計・製作を掲げた. 研究成果 (1)に関して,対向材料が導電体・絶縁体片側電極を適用した場合のERゲルの基本特性を実験的に解析し,明らかにした.更に対向材料が導電体である条件において,ERGの理論モデルを考案し,電場解析と実験的解析から片側電極の最適形状を明らかとした. (2)に関して,片側電極上に成形されたERGを固定機構および微小位置調整機構に採用し,これを4つ配置したフィクスチュアデバイスを試作し,固定特性およびアライメント特性を実験的に評価した.試作したフィクスチュアデバイスは,電極構成を変更することで,工作物が導電体でも絶縁体でも固定することが可能である.固定試験の結果,ERGフィクスチュアはマイクロ切削加工用の固定デバイスとして十分な性能を有することが明らかとなった.また,アライメント試験の結果,印加する電圧を調整することにより,工作物の加工表面垂直方向に対してマイクロメータオーダの位置補正が可能であることがわかった. 学会発表等の研究実績 本研究により得られた成果は国際学会2件,国内学会2件で発表し,学術論文2編を投稿中である.
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