2006 Fiscal Year Annual Research Report
振動スピンドルを用いた振動外周刃切断方式の実用性評価とその超高速切断技術への展開
Project/Area Number |
18760105
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
畝田 道雄 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (00298324)
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Keywords | 機械工作・生産工学 / 材料加工・処理 / 外周刃 / 振動応用 |
Research Abstract |
本申請研究の初年度では,外周刃切断方式の切断性能向上を目的とした振動切断方式における切断加工特性の検討を行った.特に,切断精度の観点から外周刃切断方式における振動付与の影響を実験的に検証し,外周刃の弾性変形と切断精度の関連性を実験・解析の両面で調べた.一方,実用性を考慮した外周刃側に振動を付与する円振動切断方式において,本方式が可能となる機械式の円振動付与スピンドルを搭載した切断加工装置を開発して実験検討を行うことで,工作物側に振動を付与する鉛直振動切断方式と切断加工性能を比較検討した.得られた結果を要約し,以下にまとめる. 1)振動を付与することによって切断加工中に外周刃と工作物が接触と分離を繰り返すが,外周刃が工作物から分離する場合において振動1サイクル毎に弾性変形が復元することから,変形していない状態を持続できる.このことから振動切断方式では,弾性変形が生じた状態を継続したまま切断加工を行う無振動切断方式と比較して表面うねりと最大表面うねり量のばらつきが減少し,安定した切断加工ができる. 2)振動を付与することによって外周刃の弾性変形が抑制されることから側面の接触が減少し逆向きソーマークの発生率が減少するものの,表面粗さの分布に関しては弾性変形の抑制に加えて,切断送り速度に振動速度が加わり工作物に切り込む速度が増加することで,無振動切断方式の表面粗さの分布と同程度になる. 3)外周刃側に振動を付与した円振動切断方式の場合において無振動切断方式と比較した場合,切断抵抗が低減し工具寿命が延伸して切断能率が向上した.これに加えて,表面うねりが減少し,最大表面うねり量のばらつきが減少した.これらのことから,工作物側に振動を付与する鉛直振動切断方式と同様の切断加工性能を有している.したがって,円振動切断方式は実用性の有る技術であると位置づけられる.
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Research Products
(3 results)