2006 Fiscal Year Annual Research Report
液相反応性乱流拡散の実験とフィルター化密度関数によるモデリング
Project/Area Number |
18760122
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久保 貴 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助手 (20372534)
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Keywords | 乱流 / 拡散 / 化学反応 / LES / 確率密度関数 |
Research Abstract |
本研究では,基本的なせん断乱流である二次元噴流において,液相反応性乱流拡散場の状態を明らかにすることを目的として実験および数値計算を行った。 本年度は,二次元噴流拡散場において単一の二次の化学反応(A+B→P)を対象とした実験を行った。ここで,Aはジアゾベンゼンスルホン酸(無色),Bはモノアゾ染料(赤色),Pはジァゾ染料(赤紫色)である。吸光スペクトル法により,染料である反応物質Bと生成物質Pの二成分濃度同時測定を行った。無色である反応物質Aの濃度は保存則から求められる。本手法により,これまで測定することが困難だった,全ての反応物質の濃度測定が可能となった。測定結果を各種統計処理することにより,二次元反応性噴流拡散場の統計的特性を明らかにした。 さらに,吸光スペクトル法で使用する光ファイバ・プローブの改良を行った。従来の直径100μmの光ファイバーを10μmにすることにより,検査体積を5.5×10^<-3>mm^3から55×10^<-6>mm^3(約1/100)に小さくすることが可能となった。本年度は,単成分の無反応濃度場に対して濃度測定を行い,従来の測定と比較した結果,本プローブによる測定値が過去の結果と一致し,プローブの有効性が確認された。 また数値的研究では,まず無反応の二次元噴流拡散場の数値計算を行った。二次元噴流に対してはこれまで詳細に検討されていなかった,対流流出および巻き込み境界条件について考察し,二次元噴流の特徴的な大規模構造渦構造(パッフィングやストライプ構造)が再現される,数値計算コードの開発を行った。
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