2006 Fiscal Year Annual Research Report
超音速および極超音速ジェットにおける音波放射の抑制に関する数値解析
Project/Area Number |
18760126
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
渡邊 大輔 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70363033)
|
Keywords | 超音速ジェット / 空力音響学 / 乱流 / 超音速後流 / DNS / 線形安定性解析 / マッハ波 |
Research Abstract |
本年度は、矩形(長方形)ジェットのモデルである、超音速平面ジェットの遷移機構および音波発生機構に関し、線形安定性理論と時間発展直接数値シミュレーション(DNS)を用い調査することを目的とした。また、平面ジェット下流での渦構造ならびに音波放射機構を調べるため、十分発達したジェットと同様の速度分布を持つガウス分布状の速度分布を持った超音波平面後流についても調査を行った。 超音速平面ジェットの線形安定性解析ならびに時間発展直接数値シミュレーションの実行により、 ・上流における攪乱の違いは、ジェットせん断層の拡大やポテンシャルコアの消失位置などの下流におけるジェット構造の発展に大きく影響を与える。 ・斜めモードの増幅は、ジェットせん断層にΛ状渦構造を形成し混合を促進することから、せん断層の拡大やポテンシャルコア消失位置に影響を与える。 ・マッハ波は、ポテンシャルコアが消失する付近よりジェット外部に放射される。また、マッハ波の放射強度は、下流に向け増幅する二次元反対称モードの振幅の大きさに依存する。 ・斜めモードの励起によるジェットせん断層の急速な拡大は、二次元反対称モードの増幅を抑制し、ジェットから放射されるマッハ波を弱める。 以上の知見を得た。 また、超音速平面後流線形安定性解析ならびに時間発展直接数値シミュレーションの実行により、 ・後流中に二次元的な渦を巻き上げる二次元モードの倍の波長を持つ一組の斜めモードは、その成長に伴い、主流-主流垂直方向面に軸を持つ斜めの大規模構造を形成し、後流渦構造の再構成に寄与する。 ・平面後流において、音波はスパン方向に揺らいだ二次元的な楕円形状の渦構造が巻き上がる際に発生し、この楕円渦の回転にあわせ規則的に放出される。 以上の知見を得た。 今年度に得た知見より、平成19年度では超音速平面ジェットにおける騒音低下に寄与する斜めモードの最適な条件に関しさらに検討する。
|