2006 Fiscal Year Annual Research Report
空気流を利用した付着性粉体層の完全分散制御方法の検討
Project/Area Number |
18760133
|
Research Institution | Oshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
尾形 公一郎 大島商船高等専門学校, 電子機械工学科, 講師 (50370028)
|
Keywords | 混相流 / 付着性粉体層 / 分散 / 流動化 / 空気噴流 / 固気相互作用 |
Research Abstract |
「目的」 粉体層の分散方法として,空気による流動化が古くから利用されているが,一般には,流動化空気のみで完全分散することは困難とされている.このため,流動化と同時に機械的操作などを付加する方法などで,層内部に粒子間力より大きいエネルギーを与えて,凝集構造を低減させる試みがなされている.しかし,これらの方法では,機械的操作に伴う構造の複雑化や部品の保守・管理などが必要と考えられることから最も有効な手段とは言い難い.そこで,本研究では,取り扱いが困難な付着性粉体層の付着・凝集構造を空気流のみで低減させる分散制御方法を検討することを目的として実験的に調査を進めている. 「実験方法と条件」 実験装置は付着性粉体層分散容器と容器底部の空気供給器で構成する.分散空気の流入方法は次の通りである.(1)テトロンキャンバスにより均一空気を流入させる.(2)粒子-壁間相互作用力の低減を図るために,容器側壁底部に幅1mmのスリットを設けて,空気を流入させる.(3)層内部の粒子間力を低減させるために空気供給部に直径1mmの穴を61カ所設けて多数の空気噴流を流入させる.実験は,分散容器に付着性粉体を充てんし,粉体層に空気流のみを流入させる.供給空気流量はマスフローコントローラーで0〜100L/minまで調整できる.このとき,供給空気圧力を圧力センサで測定し,分散粒子を分散容器側壁に設けた粒子捕集部から捕集する.実験は,前述した(1)〜(3)の方法を単独の場合と組み合わせた場合の種々のケースで行う.今回の実験では,フライアッシュを使用した. 「まとめ」 本実験から以下のことがわかった. (1)付着性粉体層分散容器底部に設置した,側壁スリットや底部穴で発生させた空気噴流によって,粉体の分散状態が促進されることが確認できた. (2)捕集粒子の観測から,本装置で粉体の初期凝集状態は改善される傾向を示した.
|