2006 Fiscal Year Annual Research Report
局所スペクトロスコピー19F-NMR・MRIによるPEFC電解質膜劣化機構の解明
Project/Area Number |
18760142
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
津島 将司 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (30323794)
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Keywords | 燃料電池 / 高分子構造・物性 / 水素 / NMR / MRI |
Research Abstract |
固体高分子形燃料電池(PEFC)は,現在,研究開発が進められているが,長期運転時における電解質の劣化,特に「膜やせ」と呼ばれる電解質膜の薄膜化現象の抑制が技術的課題の一つとなっている.これまでの既往の研究により,PEFC発電時に副生成物として過酸化水素が生成し,高分子電解質膜の主要構成元素であるフッ素(F)などと化学反応をすることで高分子構造が破壊され,膜厚が減少していくことが考えられている. そこで,本研究課題では,このようなPEFC電解質膜劣化現象の発生部位に関して,高分子鎖中での劣化現象の発生部位の解明を行い,その上で燃料電池システムのアノード側またはカソード側のどちらから電解質膜の劣化現象が進行するのかを解明し,劣化部位の特定とともに,そのメカニズム解明をはかっている. 研究開発初年度は,PEFC電解質膜に対応する局所スペクトロスコピー19F(フッ素)-NMR・MRI計測法の開発を実施した.さらに,十分な信号対雑音比(SN比)の獲得を目的に,より高いSN比を実現可能なNMR・MRI計測パルスシーケンスとして,Single Point Imaging法の一種であるConstant time imaging法について検討を行った.加えて,コイル径の減少による検出感度の向上など,ハードウェアとソフトウェアの両面における改良を視野に入れた研究開発を実施した.
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