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2006 Fiscal Year Annual Research Report

粗視化に基づくメゾスコピックな乱流遷移機構の解明と応用

Research Project

Project/Area Number 18760148
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

石田 秀士  大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助手 (80283737)

Keywordsエントロピー生成 / 正値性 / 熱力学的極限 / 情報量生成 / マルチベーカーマップ / 乱流 / 大規模構造
Research Abstract

申請者はエントロピー生成に付随する現象としてエントロピー生成を一般化した情報量生成により不変集合上の確率密度が一様化するという現象を発見し,この現象が巨視的非定常変化を実現するメカニズムに対応しているという仮説を立てたが,この粗視化はいわば数値的に導入したものであってそのような結果が果たして単に数値的なものなのか,物理的なものなのかを明らかにすることはできなかった.この現象は本研究課題において乱流の大規模構造がどのようなメカニズムによって維持されているかに関連している.そこで本年度はこのような現象が数値的なものかどうか,具体的なマップに適用したときに実際に実現しうる現象であるかどうかについて理論的に詳細に検討した.その結果,エントロピー変化の主要項は粗視化された系のフラクタル性を考慮した厳密な議論の結果,ある正値性が保証されたエントロピー生成項と位相空間膨張率項の和となることが分かった.この際そのほかの残余項はフラクタル性を考慮して熱力学的極限をとるとこれらの主要項との比が0,すなわちこれらの主要項が1のオーダとなるため熱力学的極限で0となることが厳密に証明できた.そしてこのようなエントロピー生成項はもし確率測度がフラクタルでなければ0となり,このフラクタル性が熱力学第2法則の成立の上で極めて重要であることが明らかとなった.この結果はGaspardによる種々の結果と同一であるが,本研究で得られた結果はGaspardが行ったような具体的なマップの結果とは異なり一般的な証明となっていること,さらにエントロピー生成の正値性が陽な形で求められていることが特筆すべき点である.このエントロピー生成項によりGaspardが行っているマルチベーカーマップに対してエントロピー生成を評価すると熱平衡状態近傍でGaspardの結果と完全に一致した.このエントロピー生成項からは上の情報量生成が生じることが理論的に極めて容易に導かれるため,上述の情報量生成はあらゆる現象に対して実現しうることがほぼ確定的となった.この結果は2007年7月に開催されるIUPAP主催第23回統計物理学国際会議で発表予定である.次年度以降はこの結果を用い,非平衡定常状態としての乱流の大規模構造を統計力学的に分析していきたい.

  • Research Products

    (1 results)

All 2007

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Revaluation of the First-Order Upwind Difference Scheme to Solve Coarse-Grained Master Equations2007

    • Author(s)
      Ishida, H., Momose, K.
    • Journal Title

      J. Comput. Phys. Vol. 221

      Pages: 106-121

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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