2006 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質体を用いた熱流動パッシブ制御による膜冷却の高性能化に関する研究
Project/Area Number |
18760149
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小田 豊 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (50403150)
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Keywords | フイルム冷却 / ガスタービン / 翼冷却 / 熱流動制御 / 膜冷却 / RANS / レーザー誘起蛍光法 / 多孔質 |
Research Abstract |
本研究では,冷却空気と高温作動ガスとの乱流混合をできる限り抑制し得る高性能な膜冷却法(フイルム冷却法)に関する研究を実施している.具体的には冷却空気が吹き出す冷却孔形状を工夫すること,特に多孔質状の構造体を設置し,冷却孔内の熱流動場を受動的に制御することを目指す.これにより,フイルム冷却孔および吹き出し流路内において,冷却空気をスパン方向に均一に拡げつつ吹き出し口から滑らかに高温主流へと合流させ,必要最小限の冷却空気流量で理想的な冷却空気膜を翼面上に形成できることが期待される.初年度は,数値解析手法および実験計測手法の確立のため,比較的単純な構造を有する従来型の円孔あるいはシェイプト孔を対象とした研究を実施した.具体的には,翼表面上のフイルム冷却孔率分布に影響を与える主流・冷却空気の質量流束比,吹き出し角度,スパン方向の拡がり角などをパラメータとして,二方程式型のRANS乱流モデルを中心とした種々の乱流モデルを用いた熱流動場の数値計算を行い,翼面上のフイルム冷却効率分布を後述の実験計測値と比較することで最適な乱流モデルの選定を行った.実験計測としては,櫛型熱電対による空間温度分布の測定を実施したほか,アセトンを用いたレーザー誘起蛍光測定法(LIF)を適用し,主流垂直断面内の高精度・高解像度のフイルム冷却効率分布を非接触計測するシステムを確立した.これらの結果,フイルム冷却空気の流れは翼表面付近の冷却孔形状のみならず,そこに至る冷却空気流路の幾何的構造にも大きく影響を受けることが明らかとなった.これにより,冷却孔を含む冷却空気流路内に設置する多孔質状物体による熱流動制御が有効に機能すれば,フイルム冷却空気の流れ構造を効果的に制御し得ることが示された.
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Research Products
(3 results)