2008 Fiscal Year Annual Research Report
CARSによるダイヤモンド薄膜燃焼合成場の温度分布測定と合成機構の解明
Project/Area Number |
18760156
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Research Institution | Numazu College of Technology |
Principal Investigator |
新冨 雅仁 Numazu College of Technology, 機械工学科, 講師 (40290754)
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Keywords | ダイヤモンド薄膜 / 燃焼合成 / CARS / 温度勾配 / 化学種濃度 |
Research Abstract |
本研究では, 温度境界層がダイヤモンド薄膜の成長に与える影響ならびに化学種濃度が成長速度および結晶状態に与える影響を調査することを目的とし, CARSを用いた合成場の温度分布測定を行うことに取り組んできた. CARSの測定対象を窒素から水素に変更することにより, アセチレン/酸素火炎の強い発光の影響を受けずに測定が可能であることは, 火炎からの発光のピーク位置をスキャンすることで明らかになった. しかしながら, これまでの原料ガス中の水素濃度は8 vol%では十分なCARS光強度が得られないことが, 作製した検定セルを用いた予備実験で明らかになった. 一方で, 化学反応解析ソフトを用いた計算では, 水素添加なしの場合でも測定に十分な濃度で水素が存在することが分かったため, これらの結果を考慮し, 原料ガス中の水素濃度を20 vol%とすることとし, 火炎の安定性やダイヤモンド薄膜の成長速度や結晶状態に及ぼす影響を調査した. その結果, 水素添加量を増大させても, アセチレン/酸素の当量比を低下させることで火炎の安定性は確保でき, さらに, 成長速度は多少低下するものの, ダイヤモンド薄膜の合成には大きな影響がないことが分かった. 以上の結果を踏まえ, CARSを用いた合成場の温度分布測定を試みているが, 現在のところ, 水素を測定対象としたfolded BOXCARSの位相整合条件を検定セルのない実際の測定条件下で調整することが非常に困難で, 温度分布は得られていない, この点に関しては, 光軸調整用の小型の水素封入セルを作製して, 今後も対応を続けてる. なお, 基板温度と成長速度ならびに結晶状態の関係と計算から求めた基板表面での化学種濃度ならびに温度勾配を比較することにより, 温度境界層厚さがダイヤモンド薄膜の燃焼合成に影響を及ぼしている可能性が明確になった.
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Research Products
(2 results)