2006 Fiscal Year Annual Research Report
低次元モデルに基づいた振動制御のための空間フィルタ設計法の開発
Project/Area Number |
18760162
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
細矢 直基 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 助手 (40344957)
|
Keywords | 振動制御 / 空間フィルタ / 実験モード解析 / 打撃試験 / 周波数応答関数 |
Research Abstract |
所望の複数モードを同時に不可観測にする手法が実現すれば,構造物の低次元モデルの構築や振動制御におけるスピルオーバ回避に有用である.また,種々の振動試験において,局所的にモード密度を低くするため,加振点や測定点の適切な配置に利用できると考えられる.そこで,構造物に取り付けた複数個のポイントセンサ出力の中から,所望の複数の振動モードを同時に不可観測とするための空間フィルタの設計方法を提案した.提案法は,不可観測とするモードのモードベクトルだけを既知としてフィルタを設計できる.また,不可観測とするモードと同数以下のセンサで実現できるという特徴を有する. 本研究では,解析解を持たない一般構造物に対して,所望の複数モードを同時に不可観測とする空間フィルタを設計する手法と,これを実験的に高精度で実現するための手法について検討した.まず,はじめに,提案するフィルタリング手法が振動実験を対象にする場合でも実現することを示した.片持ちはりの打撃試験により得られた加速度応答に対するフィルタリングにおいて,所望の複数個のモードを不可観測にできた.次に,有限要素モデルを用いて空間フィルタを仮設計した後,振動実験を通して修正していく手法を示した.有限要素モデルと実験モデルのモードベクトルが大きく異なることは少ない.これより,有限要素モデルだけを用いた場合にもある程度の精度で所望のフィルタリングを実現できる.しかし,有限要素モデルから得られる種々の情報を用いて実験によるセンサ位置の微調整を行うことで,より高精度なフィルタリングが実現できる.最後に,センサの取り付け位置の誤差に強いセンサ配置の評価手法を導入した.センサ数と同数のモードを不可観測にするセンサ配置は無数にあることから,センサを取り付ける際の取り付け位置の誤差が空間フィルタリングの精度に影響を与えにくいセンサ配置を選択する手法を示した.
|
Research Products
(6 results)