2006 Fiscal Year Annual Research Report
人間型ロボットハンドを利用したリハビリテーション技術の確立
Project/Area Number |
18760183
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
毛利 哲也 岐阜大学, 工学部, 講師 (40418728)
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Keywords | ロボットハンド / リハビリテーション / 教育用ロボット |
Research Abstract |
我が国では高齢化社会を迎え、脳卒中などによる手指の運動機能障害者が多くなりつつある。この機能回復のためにリハビリテーションを実施するセラピストの人数が患者に比べて不足している。このような社会的ニーズを背景に、本研究ではこれまでに開発した人間型ロボットハンドを利用し、次の2点の研究課題の実現を目指す。1.ロボットハンドで患者の手指の拘縮度合を模擬するシステムを構築し、セラピストのリハビリテーション処方の習得を行う。2.患者を模擬したロボットハンドと患者に装着する手指リハビリテーション支援システムで構成される患者訓練用リハビリテーションシステムを確立する。本年度は、課題1の実現を目指して次の3点について研究成果を得た。(1)手指の拘縮度合をロボットハンドにより再現するため、セラピストが患者(ロボットハンド)に加える力情報を用いて指の屈曲・伸展、内転・外転の動作をするトルク制御ベース力制御系を設計した。(2)セラピストがリハビリテーションで加える力情報を計測するため、ロボットハンドに装着した分布型触覚センサの接触点位置および接触圧力の情報より関節トルクを推定するシステムを構築した。(3)患者の手指の腱が癒着した関節の拘縮度合を仮想バネ・ダンパによりモデル化し、障害の進行状況をそれらパラメータで再現した。これらの研究成果は実機によるシステムを用いて、有効性を確認した。なお、これらの研究は、岐阜大学医学部の医師やセラピストより助言を得て実施した。
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