2006 Fiscal Year Annual Research Report
低侵襲手術の記録システムと新方式バーチャル手術訓練システムの開発
Project/Area Number |
18760186
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 大香士 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (90362285)
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Keywords | サージェリレコーダ / 手術事故 / 定量解析 / バーチャル手術訓練 / サーボ鉗子 |
Research Abstract |
腹腔鏡下手術では深度覚の欠如,狭視野,操作自由度の乏しい専用手術器具など,術者には特殊な手術環境への対応が求められるなか,近年の低侵襲手術の急速な普及に教育が追いつかず,手術事故やヒヤリ・ハット事例が年々増加している.しかし,定量解析が可能な手術データの蓄積がないため,原因究明の手法や,客観的な知見データベースが構築できていないのが現状である. そこで,低侵襲手術の完全データ記録を目指したデジタル手術記録システム「サージェリレコーダ」と,記録データを利用して手術を追体験できる「力覚付きバーチャル手術訓練システム」の開発を行っている.本年度は,下記の課題克服と進展があった. (1)データ鉗子(サージェリレコーダ)の測定力分解のための改良と定量的検証 手術データ収集用の鉗子は市販の専用鉗子と力センサ,位置センサで構成されるが,先端グリップの操作力が他の鉗子操作自由度の測定力に干渉していた.そこで,手元のハンドル把持動作を先端グリップ把持動作に伝達するインナーシャフトを細径化し,把持力伝達に十分な剛性を残しつつ他軸への干渉を抑制した.また,ハンドルに箔歪ゲージを貼り,測定力の分離が十分にできていることを定量的に確かめた.さらに,今年度購入した磁気式位置姿勢センサが従来製品と同等の性能を維持しつつ,格段に小型軽量化し,途中の信号線も細線化したため,データ鉗子の操作性が向上した. (2)バーチャル手術訓練システムの最適化 バーチャル訓練システムの力覚教示機構である「サーボ鉗子機構」を引き続き改良するとともに,手術データに基づく各軸駆動モータからの出力を安定化するため,制御システムを改善した.これにより,手術鉗子の通常操作よりも速い動作速度に対して,良好な再現力教示を実現し,装置の信頼性を向上させた.
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Research Products
(3 results)