2006 Fiscal Year Annual Research Report
実用的な検査用ハンドヘルド触覚センサのための設計論
Project/Area Number |
18760187
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
菊植 亮 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (90362326)
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Keywords | 触覚センサ / 触感 / 布地 / 面不良 / 感圧フィルム / 歪ゲージ / 官能検査 |
Research Abstract |
本研究課題では,工業製品の製造現場の検査・評価工程において,作業者が手に持って(あるいは手に装着して)簡単に用いることができるようなハンドヘルド型の触覚センサ技術の開発を目標としている.平成18年度は,特に下記の2つのターゲットに重点を置いて研究を行った. (A)柔らかい物体(スポンジや布地など)の表面性状の評価と測定. (B)硬い物体(金属製品など)の表面上の不良箇所の検出. まず,上記(A)に関しては,対象物の表面をなぞらせることで,その表面の柔らかさと摩擦の大きさを計測できる触覚センサの基本構造を提案した.また,このセンサからの複数の信号を統合して必要な情報を抽出する統計学的な実時間計算手法も開発した.さらにこの基本構造をもとにして,対象物表面のより細かなテクスチャの情報も取り出すことができる,指先サイズの小型センサ装置の試作も行った.小型装置からの信号のスペクトル形状からは,対象物(布地など)の表面の凹凸の細かさと表面の柔らかさに関連付けられる特徴が認められた. 上記(B)については,以前提案した対象面上の微小な凸部(塗料に混ざった塵など)を検出する技術をさらに強化する手法を提案した.従来の技術は,単一の感圧抵抗フィルムを対象面にほぼ一定の力で押し付けながらなぞらせたとき,対象面上に微小な凸部があると感圧抵抗フィルムの抵抗値が変化するという現象を利用したものであった.この技術を強化するために,感圧抵抗フィルムと対象面との間に弾性率の異なる薄い介在物を2枚はさむ方法を提案した.これによって検出性能がより強化されて,同時によりロバストになるということが分かった.さらに介在物の効果のメカニズムをより明らかにするために,有限要素解析も行った.この有限要素解析によって,より有効なセンサ構造が示唆された.
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Research Products
(4 results)