2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760190
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平井 宏明 Osaka University, 基礎工学研究科, 助教 (60388147)
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Keywords | ロボティクス / 運動支援 / 運動計測 / 足関節装具 / 空気圧受動要素 / 歩行評価 |
Research Abstract |
近年,虚弱高齢者および身体障害者の「生活の質」の向上を目的として,患者の身体機能を支援するメカトロニクス技術に期待が寄せられている。そこで本研究では、片麻痺患者に多く見られる尖足(爪先が常に垂れ下がる歩行障害)に焦点を当て、患者の質的な歩行改善を促すインテリジェント足関節装具の開発を行った。本装具の最大の特徴は、患者の身体特性や歩行状態を装具に装備されたセンサ情報から自律的に学習・判断し、その情報に基づき足関節の機械剛性を動的に自動調整することで、各患者に適した歩行支援を行う点である。以下、本年度に得られた研究成果を研究実施計画に照らし、説明する。 1.装着型歩行支援ロボットの開発 従来型足関節装具に(1)空気圧受動要素システム,(2)足圧センサ,(3)足関節センサを配備し,各センサ情報に基づき足関節拘束力を動的に制御するロボットシステムを開発した。総重量(バッテリー含む)は1.2[kg]と軽量で,完全ウェアラブルシステムとなっている。 2.空気圧受動要素のタイミング制御法の確立 快適な装具歩行を実現するには,装着者の身体特性や歩行状況に応じて,適切なタイミングで足関節拘束力を制御することが重要である。そこで,拘束のタイミングや力の大きさを変化させ,その結果生じた患者の歩行動作をデータベースに蓄えることで装着者特有の歩容を学習し最適な足関節拘束力を支援するアルゴリズムを考案した。 3.開発歩行支援ロボットの装着評価実験 開発システムを用いた装具歩行を,(1)歩容,(2)重心動揺,(3)足関節トルクの観点から多角的に評価し,本システムが従来型の装具に比べ,快適な歩行を実現するのに有用であることを確認した。
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