2006 Fiscal Year Annual Research Report
解剖学的筋骨格構成を規範としたヒト上肢類似ロボットの研究
Project/Area Number |
18760195
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂井 伸朗 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (60346814)
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Keywords | 肩関節 / 肘関節 / 上肢 / 筋骨格 / ロボット / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究では,ヒト筋骨格構成を規範とした生体規範型上肢ロボットアームの開発を目標とし,ロボット・機械工学的視点から生体構成を研究した.上肢を支える構造としては肩甲骨機構,肩-上腕関節機構,肘関節機構が挙げられる.本モデルはロボット機構として駆動することを想定しているが,生体筋骨格構成は骨格に筋が巻きつきながら駆動するという特徴を持ちこれが可動性向上につながっていると我々は考察している. 肩甲骨機構については,今年度より新規に開発したものであり,機構は肩甲骨・鎖骨・体幹面から構成される.ヒト肩甲骨は多くの筋により肩甲骨が駆動され,筋そのものにも広がりを持つが,本研究では解剖学的視点からの解説書を規範とし,駆動可能な物理モデルとして構成した.作成された機構は肩関節機構応用のための運動解析から得られた体幹を表現する球体-肩甲骨面接触や,胸骨部より伸び肩甲骨運動を安定化する鎖骨を再現した.肩甲骨は生体の筋走行を規範とした8本のワイヤによる駆動を想定し,各ワイヤによるモーメントアームを測定した結果,所定の可動域内で駆動可能であった.またワイヤ6本モデルとして構築した肩甲骨-上腕骨関節をコンピュータモデルにより評価し,ロボットモデルとの整合性を確認した.肩甲骨機構を完全幾何拘束型ワイヤ駆動パラレルリンクメカニズムとして駆動可能とするため,所定の可動域内でワイヤ走行や関節接触面が干渉しない機構として再構成した.また肘関節周囲の屈曲・回内/回外機構は7本ワイヤモデルにより駆動可能であることを確かめた.肩甲一上腕関節可動域評価手法は,これを応用したロボット肩関節装着具を開発し,複合関節である肩関節の機械工学的解析をリハビリテーション分野等への応用として検討した.また,World Congress of Biomechanics 2006にて肩甲-上腕機構をロボットモデルとして駆動した動画等を発表した.
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