2008 Fiscal Year Annual Research Report
雷害リスク低減のための確率的雷分布同定システムの研究
Project/Area Number |
18760212
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
安藤 芳晃 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (30323877)
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Keywords | 雷磁界解析 / CIP法 / FDTD法 / 雷放電 / 大地-電離層導波管伝搬 |
Research Abstract |
雷放電によって発生した電磁波の観測波形を調べるため、時間領域における電磁界解析手法についての研究を行った。時間領域解析として現在最も広く用いられている手法は有限差分時間領域法(FDTD法)であり、これを用いて磁化プラズマとしての電離層の分散性と異方性を考慮した3次元電磁界解析手法の開発を行った。分散性を考慮するにはプラズマ電流の差分方程式を解く必要があるが、電流の時間空間は位置を電界と同じとするE-J法を用いることで、安定条件を変えることなく計算を進めることができた。また更に異方性も考慮するため、3種の荷電粒子を考慮したときは、電界の時間更新式は未知数12の連立方程式となるが、数値的に時間更新に組み込むことで定式化を用意とした。また、分散性かつ異方性を持つ媒質の吸収境界条件としてNPMLを導入した。以上により、雷放電により発生する電磁波のELF/VLF帯について、精度よく解析できる手法を確立した。 また大規模時間領域手法の開発として、CIP法の電磁界解析における各種個別技術開発を行っている。特に今年度は平面波入射を考慮するTF/SF境界を開発した。1次元解析における数値分散を考慮した完全TF/SF境界の開発と、多次元における入射波の移流も考慮したTF/SF境界の開発を行った。多次元のCIP法では方向分離を用いて、各方向に移流を行うので、TF/SF境界で考慮する入射波も移流したものを用いる必要がある。数値計算の結果、精度の良いTF/SF境界が実現できることが分かった。 これにより、CIP法を雷放電による電磁波伝搬などの計算に応用できる技術が蓄積された。
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