2006 Fiscal Year Annual Research Report
直流送電を用いた系統安定化ハイブリッド制御器の設計と実験的検証
Project/Area Number |
18760216
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
薄 良彦 京都大学, 工学研究科, 助手 (40402961)
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Keywords | 直流送電 / 系統安定化 / ハイブリッド制御 / シミュレータ |
Research Abstract |
1.ハイブリッドシステム理論に基づく系統安定性評価手法の開発:本課題の目的の1つはハイブリッドシステムの観点から電力系統解析・制御の新たな理論を構築することである。電力系統のダイナミクスは、相差角動揺や電力変動などを表す連続値変数の力学と送電線トリップなどを表す離散値変数の事象の相互作用としてモデル化可能である。本研究では直流送電などの有効電力調整が可能な電力変換機器のモデルも考慮し、直流送電を含む電力系統の解析と制御へ適用可能な系統ダイナミクスのハイブリッドオートマトンモデルを示した。さらにハイブリッドモデルを用いた安定性評価手法を過渡安定問題及び電圧安定問題に対して提案し、数値計算を通してその有効性を示した。本研究の成果を実験的に検証することが次年度の課題になる。 2.ハイブリッド形電力系統シミュレータの開発:本課題のもう1つの目的はハイブリッド形電力系統シミュレータを開発することである。本課題では3機の発電機(1機は無限大母線に相当)、直流送電、および交流送電線モデルの開発が必要である。本年度は開発に必要な数値演算プロセッサ(DSP)や電力増幅器を科研費の補助により購入した。さらに、MATLAB/Simulinkなどの発電機・直流送電モデルの開発に必要なソフトウェアの導入やパークの式に基づく発電機モデルのソフトウェア化などの作業も進めた。また、複数のDSP上の発電機モデルを連系するアナログリアクトルや電流センサなどの準備も進めている。これらにより、次年度に具体的にハイブリッド形電力系統シミュレータを開発する目途が立った。
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