2006 Fiscal Year Annual Research Report
極低速センサレスドライブ実現に向けた高精度デッドタイム補償電圧の開発
Project/Area Number |
18760217
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
浦崎 直光 琉球大学, 工学部, 助教授 (70305184)
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Keywords | 電動機 / センサレス駆動 / 回転子位置推定 / インバータ / デッドタイム |
Research Abstract |
1.研究目的 電動機の極低速領域における位置・速度センサレスドライブを安定化するため、駆動電源であるインバータのデッドタイム補償電圧を相電流の瞬時値レベルで調整すること、かつ、それをオンラインで実行する手法を開発する。さらに、実験システムを構築し、その有効性を検証する。 2.研究内容 (1)デッドタイム補償電圧の特性と定式化 インバータのスイッチング素子のターンオフ時間が相電流の瞬時値に応じて変化することを確認し、デッドタイム補償電圧を相電流の瞬時値を独立変数とするシグモイド関数で定式化を行った。さらに、独立変数に対する係数を調整パラメータにし、相電流の脈動指標に応じて、デッドタイム補償電圧のオンライン調整を実現した。 (2)実験システムによる検証 まず、回転子位置センサありの駆動システムにおいて、デッドタイム補償電圧のオンライン調整法の有効性を検証した。定格出力160WのPMモータ(定格速度3,000rpm)に対し、回転速度50rpmまでのオンライン調整が可能であることを確認した。さらに、回転子位置推定誤差が低減できることを確認した。次に、センサレス駆動システムにおいて、提案手法を実装した。デッドタイム補償電圧をオンラインで調整しないシステムと比較して、安定性の向上は確認できたが、安定駆動した最低速度は150rpmであった。デッドタイム補償電圧のオンライン調整は、相電流の脈動に基づいているが、センサレス駆動の条件では、デッドタイムの影響以外に回転子位置推定誤差による電流脈動も生じるため、その切り分けが必要である。さらに、センサレス駆動に不可欠な回転子位置推定法に関しても改善する必要がある。 (3)次年度に向けての課題 今年度の実験結果で明らかになったデッドタイム補償電圧のオンライン調整法に対する回転子位置推定誤差の影響を低減し、センサレス駆動のさらなる低速化を実現する。
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