2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760218
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
熊谷 誠治 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (00363739)
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Keywords | 電力輸送 / がいし / 高分子がいし / 汚損 / 藻類 |
Research Abstract |
本国のがいし実地試験場において、一部のシリコーンゴム製高分子がいしが藻類の付着を許した。シリコーンゴムは最も優れた性能を示す高分子がいし用外皮材材料であり、多くの高分子がいしに採用されている。藻類付着がシリコーンゴムの材料特性および汚損時の電気絶縁特性のどのような影響を与えるか検討し、以下の研究結果を得た。 1.シリコーンゴム上の藻類生殖観察を行った。材料の耐トラッキング・侵食性を向上させる水和アルミナをシリコーンゴムに多量に充填すると、シリコーンゴム表面の保水性が高まるためか、藻類は長期間生息できた。また、藻類付着を受けたシリコーンゴム表面の撥水性維持・回復能力を調査した。藻類付着は撥水性維持・回復能力を大きく低下させ、がいし実地試験で見られた現象と一致した。破水性回復能力を向上させるシリコーン流動成分を添加したシリコーンゴムも試験したが、顕著な効果は示さなかった。 2.藻類付着によりシリコーンゴムの材料特性が変化するか調査した。藻類をシリコーンゴムから除去し、その除去後表面を種々の方法で化学分析した。しかし、藻類に起因する変化は観察されなかった。従って、藻類によるシリコーンゴムの撥水性維持・回復能力め低下は、藻類特有の高い親水性保持力によるもめであることが明らかになった。 3.藻類付着を許したシリコーンゴムの汚損湿潤時における漏れ電流性状およびその撥水性変化を調査するための塩霧試験装置および漏れ雷流計測システムを構築した.開発した漏れ電流計測システムは、発生した電流がどのような放電を伴ったがなど判定できるものである。来年度は藻類汚損したシリコーンゴムの漏れ電流特性を重点的に調査する。
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