2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760225
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
市川 紀充 独立行政法人労働安全衛生総合研究所(産業安全研究所), 電気安全研究グループ, 研究員 (60415833)
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Keywords | 放電 / 静電気 / 静電誘導 / 金属筐体(開口部付き) / 帯電物体 / 人体 / 電子機器 / 誤動作 |
Research Abstract |
放電・静電気の応用は、複写機等に利用される役に立つ面と、障害(電磁障害による電子機器の誤動作)として作用する面がある。マイクロ・エレクトロニクス化の進展にともない、この障害は今後もますます増加する。 例えば帯電した人体やツールワゴン等が電子機器の金属筐体(開口部付き)の近くを移動すると、筐体内の電子回路基板の導体部分に誘導電圧が発生し、機器が誤動作することがある。衣服を着用した人体は、床の上を歩くと10キロボルト程度に帯電する。電子部品の動作電圧は低下する傾向にあり、数ボルトの誘導電圧が電子回路基板に生じるだけで機器が誤動作するといわれている。したがって、帯電した人体が電子機器の近くを移動するだけで、金属筐体内には相当大きな誘導電圧が生じる可能性がある。 本研究は、誘導電圧による電子機器の誤動作を防止するため、帯電物体(人体)が金属筐体の近くを移動したときに筐体内の電子回路基板に生じる誘導電圧を測定し、測定した結果に基づいて対策(電子回路基板の設計に指針を与える)を講じることを最終目標として実施している。今年度は、これまでの研究で得られた成果を論文に発表するとともに、次の実験研究を行った。人体(帯電電圧:約10キロボルト)が金属筐体の開口部の前面を通過したときに、筐体内に発生する誘導電圧の測定を試みた。この実験の結果、本研究で提案した誘導電圧測定法では、人体が金属筐体の近くを移動したときに筐体内に生じる誘導電圧を測定することは困難であることがわかった。 今後の研究では、実験の実施が可能な環境を整備するため、実際の人体を模擬した発泡スチロール製の人体モデルを用いて実験を実施することにした。この人体モデルを用いて実験を行うことにより、より現実的な環境を模擬することが可能になる。
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