2006 Fiscal Year Annual Research Report
セラミック微粒子分散構造による非晶質シリコン太陽電池の高効率化
Project/Area Number |
18760234
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
毎田 修 大阪大学, 大学院工業研究科, 助手 (40346177)
|
Keywords | 太陽電池 / アモルファスシリコン / プラズマCVD / 光散乱 |
Research Abstract |
本年度は高光閉じ込め構造の検討および高光閉じ込め構造を有するアモルファスシリコンシングルセルの電気的特性評価による高効率化の検討を行った。 Al_2O_3微粒子の平均粒径100,200,400,600nmの微粒子による光閉じ込め構造の形成を試みたが、a-Si : H膜上に分散したAl_2O_3微粒子のSEM像観察から、400,600nmの微粒子では良好な分散性は得られなかった。a-Si : H太陽電池は波長350-750nmに感度特性を有するが、屈折率約3.5のa-Si : H膜中を伝播する光は実質的に100-215nmとすることができる。光の散乱機構は波長が微粒子粒径と同程度以上の場合、ミー散乱が支配的であり、それ以下ではレイリー散乱が支配的となるが、レイリー散乱強度は波長の4乗に反比例して低下する。以上のことから平均粒径200nm程度のAl_2O_3微粒子が光閉じ込め構造作製のために最適であると結論付けた。 分散したAl_2O_3微粒子量に関しては分散量の増加によるセル直列抵抗の増大が観測された。このセル直列抵抗の増大は結果的に曲線因子低下によるセル特性の低下をまねく。このことは過剰なAl_2O_3微粒子の導入は光閉じ込め効果を増大させる一方、光生成キャリアの裏面電極への収集を阻害することを示している。これらの検討をもとに高光閉じ込め構造の最適化を行い、その結果、短絡光電流密度の増加(7.8%)にともなう高効率化(変換効率5.9%増加)を達成した。また、分光感度特性評価よりこの短絡光電流密度の増加は長波長領域における量子効率の向上に起因することが示された。
|
Research Products
(3 results)