2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ光学系を用いた超高効率バックライトの解析と高品位液晶ディスプレイへの応用
Project/Area Number |
18760245
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石鍋 隆宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30361132)
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Keywords | 液晶ディスプレイ / 反射型液晶ディスプレイ / フロントライトシステム / 楔形導光板 / 前方散乱フィルム / 高コントラスト |
Research Abstract |
本研究では、光源から射出する光の方向と拡散分布とを独立して制御する高光利用効率照明システムとそれを用いた新規液晶ディスプレイの設計条件の確立を目的とし、このために必要となる導光板プリズムの設計指針の確立および光拡散フィルムの拡散分布の最適化について検討を行った。 本年度は軽量、薄型、低消費電力という特長を有する反射型フルカラーLCDにおける補助照明システムの高性能化について検討を行った。この結果、導光板表面の微小形状を用いてディスプレイの法線方向に光を射出する従来の補助照明システムでは、導光板底面および液晶パネル表面で反射した光が表示画像と同じ方向に射出し観察者に視認されることから、コントラスト比が低下することを明らかにした。 この問題を解決するため本研究では導光板プリズム側面に微小形状を有したくさび形プリズム導光板と反射型LCD内部に配置した光前方散乱フィルムから構成されたフロントライトシステムを考案し、液晶パネルの法線方向に対して斜めに光を射出し、液晶パネル内に入射した光を光拡散フィルムで散乱させることで表示画像のみを液晶パネルの正面方向に射出し観察者に反射させることで高いコントラスト比が実現できることを明らかにした。 本研究ではくさび形導光板プリズム内を伝播する光の輝度分布の解析手法を確立し、これを基にくさび形導光板プリズムおよび光拡散フィルムの最適設計条件について検討を行った。この結果、くさび形導光板プリズムのくさび角度および屈折率、反射制御層屈折率、光源の輝度分布と偏光状態および導光板側面の微小構造形状についての設計条件を導出し、高光利用効率および高コントラスト比を有する高品位補助照明システムを実現の可能性を示した。
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