2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍の温熱治療用微細径マイクロ波アンテナにおける高度な加温領域制御
Project/Area Number |
18760247
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齊藤 一幸 Chiba University, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 助教 (80334168)
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Keywords | がんの温熱治療 / 脳腫瘍 / マイクロ波組織内加温 / 加温領域制御 / 同軸ダイポールアンテナ / 計算機シミュレーション / 毛細血管 / 温度上昇分布 |
Research Abstract |
本研究では,脳腫瘍の温熱治療に用いる組織内刺入型の微細径マイクロ波アンテナにおいて,そのアンテナ軸方向(アンテナ刺入方向)における発熱領域制御について検討を行った。昨年度の研究により,同軸ダイポールアンテナを導入し,そのスリーブ長を加温したい領域の長さに合わせることで,所望の部位のみを的確に加温可能であることが明らかになった。ここでは,同軸ダイポールアンテナの2つのスリーブは,同じ長さであるとの仮定のもとでこれらの検討を行った。そこで今年度は,アンテナ先端側のスリーブ長のみを変化させて,同様の特性を得られるかどうか検討した。これが可能であれば,アンテナ先端側のスリーブのみを長く製作しておいて,治療現場で加温対象腫瘍のサイズに合わせてスリーブを切断することで,目的の部位のみを的確に加温することができる。計算機シミュレーションおよび生体等価ファントムを用いた実験の結果,アンテナ先端側のスリーブ長のみを変化させてフレキシブルに加温領域サイズの変更が可能であることがわかった。 さらに本年度は,昨年度に引き続き,アンテナ特性を実使用状態に近づけて実験的に評価するために,生体内での毛細血管による血流をも考慮した生体等価ファントムの改良を行った。この結果,これまでのものよりも使い勝手の良い,マイクロ波による生体での温度上昇測定用ファントムを実現することができた。このファントムは,温熱治療用微細径マイクロ波アンテナの特性評価だけでなく,広く電磁波と生体との相互作用評価に使用可能であると考えられる。
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