2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞チップを用いた超高効率遺伝子導入が可能な高速スクリーニングシステムの開発
Project/Area Number |
18760249
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
須加 実 富山大学, 大学院理工学研究部, 助手 (10262502)
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Keywords | ナノバイオ / バイオテクノロジー / バイオ関連機器 |
Research Abstract |
本研究は,酵母細胞を固定化した細胞チップを用いて,超高効率に遺伝子を導入し,短時間で導入した細胞をスクリーニングするシステムを新規に開発することが目的である.平成18年度では,まず装置の設計製作において,既に代表者が遺伝子導入に使用している自製のコンデンサの充放電による直流高電圧パルス発生装置を改良し,極小電極間で適用可能な範囲のパルス条件(1〜5V,1〜10msec)を試行できる導入装置を設計製作した.また,遺伝子導入用細胞チップ用の電極は,細胞の固定化や観察も考慮して電極形状や材質などを検討し,具体的に顕微鏡下での観察も可能にするためスライドガラスに液晶などに用いられている酸化インジウムスズを蒸着した透明電極を作成した.本年度は特に遺伝子導入条件を検討するため,製作したパルス印加装置と上記の透明電極や従来のアルミニュウム製電極を用い,従来は電極間2mmで実施していたものを,酵母細胞直径レベルに近づけるため電極間100μmで電圧パルスの印加を行った.ここでは数種類の酵母菌の栄養要求性変異株とそれを相補する遺伝子を組み込んだプラスミドDNAを用いて,電圧パルス印加後の細胞懸濁液を寒天最少培地上に直接プレーティングしスクリーニングを行い,微小電極間での遺伝子導入に最適な放電パルス条件と生理的条件の知見を得た.また,このとき細胞を懸濁する溶液は非電解質の糖アルコールを使用することで火花を防ぐと共に浸透圧など遺伝子導入効率に重要なファクターとなった.
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