2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760258
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
岸原 充佳 岡山県立大学, 情報工学部, 助手 (50336905)
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Keywords | ミリ波 / 導波管 / 放射光 / 放射光エッチング / マイクロデバイス / スパッタ蒸着 / 導波管ベンド |
Research Abstract |
1.本研究では,放射光によるテフロンの微細加工と表面への金属の蒸着を通して,ミリ波・サブミリ波領域での応用が期待できる導波路および素子を構成する技術の開発を試みている.18年度は,比較的周波数が低いQバンド(33-50GHz)の寸法でテフロン導波管の製作プロセスの確立を試みた.まず,短絡境界H面平面回路法と電磁界シミュレータを用いて,試作対象となる簡単なパターンのH面導波管素子(ストレート導波管,ベンド導波管)の設計を行った.さらに,測定装置(ネットワークアナライザ)との接続を考慮するため,テフロン充填導波管-中空標準導波管変換器を設計した.以上を組み合わせて,最終的な回路パターンを決定した.変換器は,通常の機械加工で得られる形状となるように,アイリスとλ/4変成器で構成した. 2.次に,1.で得た回路パターンを基にマスク(ステンシルマスク)と厚さ1mmのテフロンシートを準備した.マスクは,数μm精度のものを外注した.その後,放射光直接エッチングによるテフロンパターンの切り出しと,Au膜の蒸着・電解メッキを行うことで,テフロン充填型の導波管構造を得ることができる.エッチングは,露光装置内にテフロンシートを設置し,その上にマスクを被せて真空下で露光することで行える.その際,テフロン背面より加熱を行い,溶けたテフロンが再付着するのを防止した.Au膜蒸着の際には,まず逆スパッタで表面改質を行い,1μm未満の膜厚を得る.その後,電解メッキで厚み10μmまで堆積させた.これは表皮深さを考慮している.後は,不要部分を切り落として導波管とした. 3.試作したテフロン導波管と予め設計した変換部を接続して,Sパラメータをネットワークアナライザで測定した測定結果は,計算値と良く一致する反射・通過特性を示し,導波管として十分動作していることを確認した.通過特性に約2dB弱の損失が含まれていたが,これは変換器の損失と考察している.
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Research Products
(2 results)