2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760269
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
笹森 文仁 信州大学, 工学部, 助教授 (70298090)
|
Keywords | 移動通信 / OFDM / フェージング相関 / ダイバーシチ / ビット誤り率 |
Research Abstract |
OFDM伝送方式はディジタル変調信号を時間と周波数の2次元配列的に伝送する方式である.これまでの研究で,「ドップラー周波数(時間変動)」と「遅延スプレッド(周波数変動)」の2つのパラメータ値からフェージング相関の統計値を計算し,OFDM伝送方式のビット誤り率を簡易かつ瞬時に計算できる手法(閉じた形の計算式)を確立した. 本年度は,上述したOFDM伝送方式の特徴を積極的に活用し,フェージング変動によるビット誤り率の劣化を改善する手法として「OFDMシンボル内ダイバーシチ」を提案した.これは,OFDMの全サブキャリヤを2分割して1次変調シンボルを2度送信し,受信側でダイバーシチ合成することにより,1ビットの送信エネルギー増加とダイバーシチ利得の相乗効果を期待するものである.同手法を適用することによって情報ビットレートは半分になるが,変調度を下げる(情報ビットレートを下げる)ことによって1ビットの送信エネルギーを増加させる「適応変調方式」と比較した場合,同一の情報ビットレートを確保しつつ,ダイバーシチ利得の分だけ高品質伝送が期待できることが分かった.本手法では,ダイバーシチ合成の際に周波数相関性が無視できないが,ある程度の相関を有していてもダイバーシチ効果が十分に得られることを理論式を導出して検証し,モンテカルロシミュレーションによってその理論検証を裏付けした. 本手法は,1次変調方式やダイバーシチ方向(周波数方向,時間方向),全サブキャリヤの分割数などをフェージング伝搬環境に応じて適宜切り替えることが可能であるため,来年度はその適応制御の可能性を探ることが課題である.
|
Research Products
(3 results)