2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラジオダクト・スポラディックE層の面的・動方向的分布に関する研究
Project/Area Number |
18760280
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
高橋 茂 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (90399296)
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Keywords | 電波伝搬 / スポラディックE層 / ラジオダクト / VHF帯 / 自然電磁現象 / 地震電磁現象 |
Research Abstract |
今年度は、観測システム全体の構築を行った。 観測システムは、アンテナ系およびデータ解析系の2つの系に大きく分かれる。アンテナ系は、8素子八木-宇田アンテナ(VHF用)、方向キャリブレーション用八木-宇多アンテナ(UHF用)、アンテナローテーター、VHFおよびUHF帯受信機、ADコンバーター、GPS、および、データ記録用PCから構成される。ノイズシールド、風雨対策を施したこれらの機器を、広島市立大学(広島市安佐南区)屋上に設置した。 データ解析系は、一次処理用コンピュータ、データサーバ、無停電装置、およびクライアントPCからなる。観測データは、Linux上で一次処理を施した後、データサーバに保存される。データ解析は、クライアントPCから、データサーバにアクセスして行う。このような処理を行うネットワークシステム、リダクションソフトウェア、データ解析ツールなど、PythonおよびMatlabを適宜用いて、必要なアプリケーション開発を行った。 システム完成後、キャリブレーション観測を試みた。今年度は、UHF八木-宇田アンテナを用いて見通し内にある己斐局の電波測定データから、アンテナ原点のキャリブレーションを行い、アンテナ方位の正確な値を見積もった。未だいくつかのキャリブレーションを施さなければならないが、これらは今後行う。 以上のシステムを用いて、来年度は本観測を開始し、スポラディックE層、およびラジオダクト伝搬データの取得を行う予定である。 また、本研究は所属講座の電磁波観測系と連携して行っている。この観測系は全国12箇所に設置され、24時間電磁波データを取得している。上記システム開発装置作成の際のノウハウをこの観測系によって得られるデータ解析に応用し、解析精度を高めることも行った。
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