2006 Fiscal Year Annual Research Report
高SNR時にも優れた誤り訂正能力を示すLDPC符号化システムの研究
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18760290
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Research Institution | National Institute of Multimedia Education |
Principal Investigator |
澁谷 智治 独立行政法人メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (20262280)
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Keywords | LDPC符号 / sum-productアルゴリズム / 反復復号 / 最尤復号 / 符号アンサンブル / 復号誤り率 / 正則LDPC符号 / 非正則LDPC符号 |
Research Abstract |
低密度パリティ検査(low-density parity-check, LDPC)符号は、sum-product復号アルゴリズムとして知られる高速な反復復号アルゴリズムと組み合わせることにより、誤り訂正能力の極めて高い符号化システムを構築することが可能である。 このシステムの誤り訂正能力の限界を明らかにする一つの方法として、与えられたLDPC符号アンサンブルの最尤復号特性を評価することが考えられる。従来の研究において、正則LDPC符号アンサンブルについては既に最尤復号特性が定式化されており、反復復号下での誤り訂正能力との比較などが行われている。一方、正則LDPC符号アンサンブルよりも誤り訂正能力が優れており、今後一般的に用いられると予想される非正則LDPC符号のアンサンブルについては、最尤復号特性が明らかにされていない。 本研究では、まず、非正則LDPC符号の符号アンサンブルにおける平均重み分布を定式化し、さらにこれを用いて最尤復号下での復号誤り率の上界、すなわち、与えられた非正則LDPC符号アンサンブルに関する平均的な復号誤り率がこれ以下になるという限界を導出した。また、この上界が、符号長が無限大となるにつれて漸近的に0となり得ることを示した。さらに、本研究で導いた結果を正則LDPC符号に適用する際には、従来の結果よりもより広範囲の条件の下で適用できることを明らかにするとともに、より広範囲となる条件下で探索によって、訂正能力の限界を示すあるパラメータが従来よりも大幅に改善される具体例を構成した。
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