Research Abstract |
本研究は鳥海山(秋田県と山形県の県境)から地下水が伏流水として湧出している日本海域を対象とし, 異なる人工衛星により取得されたリモートセンシングデータ, 地理情報, 対象地域における専門家の知見等を組み合わせで複合的な解析を行うとともに, 局所的な自然現象である"海底湧出地点の海水表面情報"の解析を行った。具体的には, ランドサットETM+データおよびだいちAVNIR-2データを対象としk-means法を施して得られた海水表面情報の特徴と, 専門家から得られた知見や現地調査結果との比較を行い, 海底抽出地点の検出を行った。得られた成果を以下にまとめる。 1, 異なる季節(4月, 8月)に取得されたAVNIR-2データを用い, 対象地域の環境情報解析に用いる特徴量(バンドデータ)の選定や, その組み合わせにより得られる特徴について検討を加えたその結果, ランドサットETM+データ同様, 解析に有効なバンドデータの組み合わせを明らかにするとともに, 複数のデータから得られる特徴量の効果を明らかにした。 2, 上記1に示した分類結果には, 専門家等の知見および現地調査により得られた海底地下水の湧出地点や, 空中写真画像データの分類結果と一致する領域があることを明らかにした。また, 使用したAVNIR-2データにより淡水(河川や地下水)と海水の有する成分の違いを判別できることを明らかにした。 3, 対象地域(秋田県にかほ市象潟町, 山形県遊佐町沿岸)の現地調査を行い, 湧出地下水を測定した。その結果, 海底湧出地下氷を推定する指標として海水温度が有効であること, k-means法により得られた分類結果に塩分濃度が影響を与え得ることを確認した。 4, リモートセンシンクデータから海域等を解析する際の前処理となるクラス分類法の開発を行った。その結果, データの特徴を考慮して海域等のクラスを自動分類できることを明らかにした。
|