2006 Fiscal Year Annual Research Report
生理機能分析のための皮膚色素分布計測装置の試作研究
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18760300
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西舘 泉 山形大学, 工学部, 助手 (70375319)
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Keywords | 可視化 / 皮膚色素 / メラニン / 血液濃度 / 拡散反射 / 酸素飽和度 / 分光画像 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒト皮膚生理機能情報分析のために簡易な光学システムおよび、短時間の分光画像計測が特徴である拡散反射分光画像計測システムを試作・開発し、メラニン色素濃度、血液濃度、組織酸素供給量の3次元計測を実現することにある。 本年度の研究では、はじめに光学除振台、カメラレンズ、単色波長フィルター、回転フィルターホイール、汎用CCDカメラ、光学部品固定装置から成る画像取得装置を作成した。画像取得はフィルターホイールの回転と同期をとり、単色フィルターの中心波長としては420,585,600,760,800nmを選択することで、可視から近赤外領域にわたる広帯域の分光反射率画像の連続取得を可能にした。カメラレンズの焦点距離とCCD面から皮膚までの距離の配置を決定し、拡散反射標準板を用いて照明、検出の幾何条件とCCD素子の分光応答感度補正を行った。 次に、拡散分光反射画像から色素濃度の3次元分布を求める方式について検討を行った。可視光と近赤外光の皮膚組織に対する進達度の違いを利用して皮膚組織内に局在する吸収体の表面からの深さ・厚み位置を推定する方式で得られる色素分布範囲を先見情報として与えた光伝搬モンテカルロ法により色素分布範囲内の吸収係数を算出し、ランバート・ベール則を適用することで酸化ヘモグロビン・還元ヘモグロビン量の皮膚深さ方向における分布の推定が可能であることを数値シミュレーションにより確認した。また本方式により治癒過程におけるヒト皮下内出血深さ位置の変化をモニターできる可能性を実験的に明らかにした。 さらに、内部血液領域周辺組織のメラニン濃度、血液濃度、酸素飽和度の空間分布を推定するためにRGBカラー画像を利用する方式について新たに検討し、ヒト皮膚血流動態を可視化できる可能性が得られた。
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Research Products
(3 results)