2008 Fiscal Year Annual Research Report
反射型時系列画像に対する輝度勾配ベクトル場モデルの検討
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18760305
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉永 幸靖 Kyushu University, 芸術工学研究院, 助教 (60304854)
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Keywords | 輝度勾配ベクトル / 線集中度 / 線検出 / 時系列画像 / コントラスト非依存 / 反射型画像 / 透過型画像 / オブジェクト空間表現 |
Research Abstract |
本年度は、輝度勾配ベクトル場モデルを微弱な信号を持つ眼底を対象とし、複数の単色光による分光画像について線集中度フィルタの有効性を検証した。眼底など非常に微細な構造を持つ組織の場合、光が表面組織を通過し、深層組織で反射した像が得られる。この結果、反射型画像でありながら透過型画像に近い性質を持ち、微細構造に対する線集中ベクトル場モデルの適用は原理的にも非常に有効であることがわかった。これは単色光源でも同様に作用し、分光分析技術への線集中ベクトル場モデルの適用が可能である一方で、発生源である組織は同一でありながら、波長による特性が異なるため、波長間での画像類似度の評価に影響があることも分かった。これは、形としては同一でありながら輝度分布が異なることを意味し、相関などの一般的な評価値では形の同一性よりも輝度分布の相違がより強く表れることを意味し、異なる波長間での類似度評価を困難なものとしている。例えば異なる波長間での画像位置合わせでは、形に合わせて位置を揃える必要があるにもかかわらず、波長特性の相違によりずれ量が大きくなるなどの影響を及ぼす。 この点に関しては、輝度勾配ベクトル場モデルを画像類似度評価に利用することである程度の改善可能であることが実験から示されている。線集中度の分布が波長によらずよく似ている点からもベクトル強度を無視して分布のみを評価することの有効性が示唆されていると思われる。
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