2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760309
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
荒川 貴博 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (50409637)
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Keywords | センシングデバイス / MEMS / 計測システム |
Research Abstract |
1.S/N比向上のためのマイクロ流路製作技術の開発 エバネッセント照明は鏡面を持つ透過性の高いガラス基板にガラス表面において全反射する方向から光源を照射することで、全反射した面上100nm近傍に僅かにしみ出す光を用いた照明方法である。従来までは加工を施していないガラス上での生体分子観察しか行われていなかった。 そのため本研究では図1に示すようなガラスのウェットエッチング時の問題に対し ・低濃度HFと他の酸化力をもつ硫酸・硝酸を用いたエッチングの検討を行い、表面粗さ5nm以下の表面粗さをもつウェットエッチング溶液を開発 ・エッチング溶液組成を変更させた場合の表面粗さとエッチングレートの比較を行い、最適な流路形状、流路表面粗さで加工が可能な技術を確立 を達成している。 2.エッチングにおけるマスク材料の検討 ・応力の比較的小さいスパッタ膜のSiとSiパターンニングに用いるフォトレジストの2層のマスクによるエッチング溶液耐性評価を行い、最適なマスク材料を導き出した ・低濃度HFと硝酸の混合比に対するSiマスク耐性を評価し、長時間のエッチングに対し耐性のあるエッチング溶液を開発 ・マスク材料の応力低減のために、窒素雰囲気での400℃の熱処理を行うことで、マスクの崩壊を無くすことを実現 3.タンパク質一分子観察のためのPDMSマイクロバルブ マイクロ流路中において高速溶液交換を目指したPDMS製のマイクロバルブを作製し、評価を進めた。 ・PDMSマイクロバルブ製作を行い、マイクロバルブと生体一分子観察が可能なマイクロ流体システムを構築 ・溶液交換速度の評価を行い、100ミリ秒以下の高速スイッチングを実現 ・生体分子のガラス及びPDMSに対する吸着の検討を行った。 作製したマイクロ流体システムを用いて、高速溶液交換下で生体一分子観察に成功している。今後、より詳細な生体一分子観察に関する評価を進めていく。
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