2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化マグネシウム亜鉛を用いた電界効果型グルコースセンサの開発
Project/Area Number |
18760310
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 一歩 大阪工業大学, 工学部, 講師 (40351457)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 酸化マグネシウム亜鉛 / 分子線エピタキシ / イオンセンサ / バイオセンサ / シランカップリング / グルコースオキシダーゼ / 酵素 |
Research Abstract |
現有のラジカル支援分子線エピタキシ装置を用いてA面サファイア基板上にバイオ電界効果トランジスタ(FET)の母体となるZnO/Zn_<0.7>Mg_<0.3>Oダブルヘテロ接合を形成した.バッファ層にMg組成の低いZnMgO層を採用したことで,これまで基板とバッファ層の界面で流れていたリーク電流を大幅に低減することに成功した.このことは,センサの測定精度および感度の向上につながる.また,ゲート絶縁層として使用している単結晶ZnMgO表面にシランカップリング処理を施し,光電子分光装置およびフーリエ変換赤外分光光度計(本補助金で購入)を用いて表面の結合状態を詳しく調べた.その結果,シランカップリング処理によってZnMgO表面にシラン分子が化学的に吸着していることが判った(アミノ基で修飾された表面はその後の酵素固定化に有効である).また,FETのゲート電極部にシランカップリング処理を施した素子が,電解質溶液中でトランジスタとして動作すること,溶液中のpH変化に伴いアミノ基で終端化したゲートの電位が変化すること,を明らかにした.このことは,酵素反応によって生成したプロトンを当該FET素子で検出できる可能性を示すものである.今後も引き続きFET自身の性能を改善(伝達コンダクタンスの向上,電界移動度の向上,暗電流の低減)してゆくとともに,シランカップリング処理およびグルコースオキシダーゼ(酵素)の固定化条件を最適化し,目標とするバイオFET実現に向けて研究を進めていく.
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Research Products
(2 results)