2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化マグネシウム亜鉛を用いた電界効果型グルコースセンサの開発
Project/Area Number |
18760310
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 一歩 Osaka Institute of Technology, 工学部, 准教授 (40351457)
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Keywords | グルコースセンサ / バイオセンサ / 酸化亜鉛 / 酸化マグネシウム亜鉛 / エッチング耐性 / シランカップリング / グルコース酸化酵素 / ナノロッド |
Research Abstract |
本年度は, 酸化亜鉛と酸化マグネシウム亜鉛のヘテロ接合を用いた電解質溶液ゲート電界効果トランジスタ(FET)の1. 性能向上, 2. 酵素固定化プロセスの最適化, 3. 電解質溶液中でのセンサ動作の安定性向上, を目指して研究を行った. 1. については, 素子を微細化するためのマスクパターンを設計・製作し, ゲート長100μm, ゲート幅2.5mmの素子を試作した. その結果, 従来よりも伝達コンダクタンスを一桁以上大きくすることができ, センサの感度を改善することに成功した. 2. に関しては, シランカップリング処理を施したゲート表面にグルタルアルデヒド架橋剤を用いてグルコース酸化酵素を固定化する際, グリシン処理を追加することで酵素と結合していないアルデヒド基の不活性化を試みた. その結果, 水溶液中に含まれるグルコースを20秒以下で高速検出できるようになった. 3. に関しては, ゲート表面を薄い酸化タンタルで保護することで電解液に対するエッチング耐性の向上を図った. 従来, ゲート絶縁膜として用いていた酸化マグネシウム亜鉛は酸やアルカリ水溶液に対して溶け易くセンサ動作時に電流ドリフトが発生していたが, これによって当初必要と考えていた作動増幅回路を導入することなく電流ドリフトを抑制することができた. 以上の成果に加えて, ゲート表面に酸化亜鉛ナノロッドを選択的に形成できることを明らかにし, ナノロッドに酵素を高密度に固定化することでセンサの感度をさらに改善できる可能性を示した.
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