2008 Fiscal Year Annual Research Report
性能限界の解析に基づく制御系における情報伝達遅延の最適化
Project/Area Number |
18760316
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加嶋 健司 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (60401551)
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Keywords | 最適制御 / 制御性能限界 / 情報伝達遅延 / 量子力学系 / 通信ネットワーク |
Research Abstract |
通信ネットワークを介した制御系の構築やシステムバイオロジーなど制御工学の新しい可能性を切り拓く最新の課題において、情報伝達遅延はそれらの系の挙動に大きな影響を与える。一般に情報伝達遅延は制御性能を劣化させることがよく知られているが、その影響は一様ではなく、理論的に見ても完全に理解されているとは言えない。そこで本研究では、情報伝達遅延が制御性能に与える影響を理論的に明らかにした上で、従来の"遅延が存在しても機能する制御系"から"制御系設計において好ましい遅延の特徴づけ"さらには"遅延が存在するからこそ機能する制御系"の解析・設計を目指している。 本年度は、情報伝達遅延が制御性能へ与える影響に関する、昨年度導いた当初予定していたすべての理論結果に加え、新たに系の不安定性との双対性を与え、学術論文として国際誌に投稿し採録された。またこれら一連の基礎理論の研究と並行して進めていた、量子力学系の制御への応用に関する研究においても、制御理論ならでは問題設定により斬新な結果を導き制御理論・物理学双方に学術論文として採録された。
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