2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760317
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 健治 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10293903)
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Keywords | モデル低次元化 / 非線形システム / Galerkin近似 / 有限次元近似 / 特異値解析 / 非線形制御 |
Research Abstract |
本研究では、複雑な非線形システムのモデル低次元化に関する2つの成果を得た。具体手には、の柔軟構造物や流体などの無限次元システム有限次元システムで近似する問題に対して、モデル低次元化手法と同様の手順を用いる手法の提案、(2)通常計算が難しい非線形モデル低次元化法の効率的な計算手法の開発、の2点である。 (1) 無限次元システムの有限次元システムでの近似問題は、古くから扱われている重要な問題である。この分野では有限要素法などの直感的にわかりやすい手法が主流であるが、それらは必ずしも制御糸の解析や設計に使いやすいものではない。本研究では、与えられた無限次元非線形システムが特定の入出力特性を保存するための有限次元手法の枠組みを提案した。さらにGalerkin近似を組み合わせた計算法による有効性の検証も行っている。梁や流体など、現実世界には近似を必要とする無限次元の非線形システムは多数存在することから、その応用範囲は広いと考えている。 (2) 非線形システムのモデル低次元化問題は、非線形制御系設計と同様に非線形の偏微分方程式で記述され、一般に解くことが難しい問題である。これまでそもそも任意の精度で計算が可能かどうかもわからなかった問題に対して、本研究では再帰的な手順を繰り返すことで、計算量を増やすことで計算精度を上げてゆける方法を提案した。この結果は、非線形のモデル低次元化手法を実用化するにあたっておおきな第一歩であると考えられる。 以上、本研究では非線形のモデル低次元化に関してその可用性を広げる2つの成果を得た。
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