2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760320
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 俊一 Kyoto University, 情報学研究科, 助教 (40420400)
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Keywords | ハイブリッドシステム / 最適制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は, ハイブリッドシステムの最適制御問題に対し, 少ない計算量で近似解を導出するための確率的解法を提案することである. 本年度は, 研究課題の最終年度となるため, これまでに得られた成果の整理および本研究課題の総括に充てた. これにより得られた結果は以下の通りである. 1. 混合論理動的システムモデルで表現されるような一般的なクラスのシステムに対しては, 解の精度を「最適値からの差が〇〇%以内」といった形で保証するように解くことは, 確率的手法を用いたとしても困難である. このことは,システムのもつダイナミクスの不連続性に起因している. 2. ただし, システムのクラスを, 制御入力だけに連続と離散が混在する「離散値入力型システム」に限定すれば, 常に, 実用的に少ない計算量で近似解が得られる. これは, 制御器として「非ハイブリッドシステムに対する制御器+動的量子化器」という構造を採用し, その上で, その制御器と量子化器を独立に最適化することで実現できる。この際, 大きな計算量は必要ない. 3. したがって, 広いクラスのシステムを一括して扱う解法を開発するのではなく, 少ない計算量で準最適解を導出するアルゴリズム(確定的もしくは確率的)が存在するシステムクラスを明らかにすることが, 今後取り組むべき課題である. 以上の結果は, ハイブリッドシステムの最適制御器の設計法の開発における基礎的な成果となり, 今後の展開への足がかりになるものと期待される.
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Research Products
(5 results)