2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760321
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
甲斐 健也 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (60419471)
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Keywords | 制御工学 / 非線形制御理論 / 非線形システム / 非ホロノミック / アファイン拘束 |
Research Abstract |
近年,非ホロノミックシステムに関する研究が盛んに行われており,それらのほとんどは車・トレーラ・蛇型ロボットなどに代表される「線形拘束」のみを扱っている.しかし,線形拘束よりもクラスの広い「アファイン拘束」も存在し,初期角運動量を持つ宇宙ロボット,回転盤上のコインや球などはその例である.アファイン拘束に関してはこれまでほとんど研究がなされておらず,物理学的・制御理論的にも興味深い研究対象であるといえる. 本研究課題では,このアファイン拘束に関して,数学・物理学・非線形制御理論などの立場から理論解析や制御系設計を行うことを目的としている.さらに新しい移動体やロボットの提案を行うことも視野に入れている.本年度では,以下のような結果を得た. 1.アファイン拘束を受ける運動学システムに対して,制御則が設計しやすい形である「拡張チェインドフォーム」を提案した.さらに,そのシステムに対して,幾何学的位相を用いた制御則を提案し,「回転盤上のコイン」に対して適用して有効性を確認した. 2.「回転盤上のコイン」に対して,システムの平衡点集合を利用することによって,より効率的な制御アルゴリズムを提案し,シミュレーションによってその効果が示された. 3.ハミルトン力学を用いて「アファイン拘束を受ける非ホロノミックハミルトニアンシステム」を導出し,さらにその受動性条件などの特性について調べた.これまで知られていた線形拘束の場合のシステムを包含する,より広いクラスのシステムの定式化が行えた.現在,受動性に基づく制御則の導出について行っており,来年度中に発表予定である.
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