2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760321
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
甲斐 健也 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (60419471)
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Keywords | 制御工学 / 非線形制御理論 / 非線形システム / 非ホロノミック / アファイン拘束 / 離散時間力学 / 宇宙ロボット |
Research Abstract |
本研究課題では, 非ホロノミックシステムの中でもこれまでほとんど扱われたことが無いクラスである「アファイン拘束」に注目し, 非線形制御理論の立場から新しい解析・制御の手法を提案することが目的としている. 本年度はアファイン拘束を含むような, より広い一般的な非線形システム・力学システムを研究対象とし, 以下のような研究テーマを行った. 1.アファイン拘束を受けるシステムの工学的応用として, 「初期角運動量を持つ3次元宇宙ロボット」に焦点を当て, モデリング・非線形制御論的解析を行った. さらに準最適制御アルゴリズムを提案し, 宇宙ロボットの3次元姿勢制御問題へ適用して, シミュレーションによって提案手法の有効性を確認した. 2.非線形力学システムの新しいモデリング手法である「離散時間力学」を用いた制御系設計法, 実際のシステムへ適用するための0次ホールド化の手法を提案し, シミュレーションで有効性を示した. さらに実際の台車型倒立振子実験装置へと本手法を適用し, 実機レベルでも提案手法が有効であることが確認できた. 本手法は非線形力学システムの新しい制御手法の可能性を持っていると言える. 3.一般的な2次元非線形システムに対して, 所望のリミットサイクルを発生させるような制御系設計問題に取り組み, 制御リアプノフ関数とスライディングモード制御の理論を応用したコントローラを導出し, その特性などを解析した. さらに, アファイン拘束を持つ工学的な例である, 「初期角運動量を持つ平面型宇宙ロボット」に提案手法を適用し, シミュレーションによって所望のリミットサイクルが発生できることを確認した.
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