2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760323
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浅井 徹 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30314363)
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Keywords | ロバスト制御 / ゲインスケジューリング / パルス幅変調 |
Research Abstract |
本研究は線形システムであるが制御入力が3値の離散値をとる場合に対し,制御入力をパルス幅変調(PWM)に限定することで系統的かつ安定性や性能を保証する制御系の設計手法を得ることを目的としている。これまでに、この目的を達成するための一手法として、システムをPWMに同期して離散化し、それにより得られる非線型離散時間システムに対してロバスト制御の手法を用いて状態フィードバック安定化補償器を得る手法が申請者によって与えられていた。この手法は入力の切換に起因する非線形項を、それを包含するノルム有界な集合に置き換えて設計を行なうため、この手法によって得られる結果は保守的なものであった。そこで本年度の研究では、非線形項のゲインスケジューリングによって、その保守性を低減することを目的として設計した。 設計法を考えるあたり数値例に基づく検討を行った結果、前出の集合の構成そのものを再考することによっても保守性低減の効果があることが明らかとなった。そこで、本年度はそのような集合の新たな構成法について研究を行った。具体的には、上記の集合を導出する際、切換の特性だけでなく、そもそも制御入力が有界であることを陽に考慮して集合の設定を行った。その結果、制御器の構造を複雑にすることなく従来よりも保守性の低い結果が得られることが数値例によって確かめられた。この結果に基づいてゲインスケジューリングを行えば、より保守性の低い設計手法が得られることが期待される。ゲインスケジューリングについては、今後、継続して検討する予定である。
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