2008 Fiscal Year Annual Research Report
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18760337
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| Research Institution | Yamaguchi University |
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Principal Investigator |
松尾 栄治 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 助教 (10284267)
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| Keywords | 竹筋床版 / 押抜きせん断強度 / 土木学会式 / ヤング係数 / 低強度部材 / 長期吸水特性 / 腐食 |
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| Research Abstract |
これまでの結果において, 竹材はいずれの種類においてもその含水率により引張強度が異なることが判明しており, 今年度はコンクリート中で竹材の含水状態を長期的に測定した。その結果, コンクリート部材に外部からの水分の供給がなく, 乾燥もしない定常状態の場合, コンクリート内部の竹材は初期材齢において一度吸水し, その後は水和反応の進行による自由水の減少に伴って再び乾燥していくことが明らかとなった。また, 懸念された竹材の腐食についても気中とコンクリート中における長期腐食状況を観察・確認したが, 本実験においては腐食が全く発生しておらず極めて健全な状況が確認された。
設計方法の確立の一環として, 呼び径の異なる異形棒鋼(SD295A)を用いて算定したコンクリート床版の押抜きせん断強度の理論値を, 実際に実験により求めた床版の強度と比較した。土木学会式による計算結果が最も精度良く算定できることがわかった。孟宗竹を補強材とした床版の押抜きせん断強度は, 公称直径6mm(D6)の異形棒鋼を主鉄筋とした場合の理論値とほぼ同程度となった。汎用性の高い13mm(D13)に対しては理論値に対して60%程度の強度となり, 鉄筋と同程度の強度を持たせるには, 床版厚を増加させるなどの対策が必要となることがわかった。これらのことより, 面部材へ適用する場合は竹材を格子状に組むことによる効果から, 竹材単体の引張試験での結果よりも高い引張強度を見込んで設計できることが明らかとなった。また, 設計で必要なヤング係数についても実験的に求め, 鉄筋の約16分の1であることが判明した。部材の剛性を高めるには新たな工夫が必要となる。
総括して, 低強度のコンクリート部材の補強材としては十分に使用できる可能性があることを示すことが出来た。
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