2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド界面接着手法によるRC部材の曲げ補強設計法の最適化
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18760340
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Research Institution | Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute |
Principal Investigator |
戴 建国 独立行政法人港湾空港技術研究所, LCM研究センター, 研究官 (00374570)
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Keywords | FRP / コンクリート接着界面 / ダールアクション / ハイブリッド接着 / 曲げ補強 / 使用状態 / 終局状態 / プライマー / 耐久性 |
Research Abstract |
FRPシートは既存RC部材の補強材料として世界中に広く使われている。しかしながら、シートとコンクリートの界面において剥離が生じるなどの問題は未解決である。本研究では、新しいハイブリッド接着工法を開発し、FRPシートで補強されたRC部材の曲げ性能の最適化を図り、実構造物に適用するための設計方法を提案する。また、長期暴露試験及び疲労載荷試験を実施することにより、この新しい曲げ補強工法の長期耐久性を評価する。平成18年度において、以下のような研究成果を得られた: (1)非線形な材料特性を持つ接着材(以下「非線形接着材」とする)の使用により、FRPシートの曲げ補強の効果を向上させることを確認した。また、新しいFRPストランドシートと非線形接着材のハイブリッドの使用によって、FRPシートで曲げ補強したRC部材の終局強度の増加および変形能力の向上を図れることも確認した。 (2)非線形接着材および線形な材料特性を持つ接着材(以下「線形接着材」とする)のハイブリッド使用によって、FRPシートで曲げ補強したRC部材の使用状態の要求性能(ひび割れの制御性能)の向上と終局状態の要求性能(部材の終局強度と靱性)の向上を同時に図れることを確認した。 (3)コンクリート表面が湿潤状態の場合では、プライマーのコンクリートへの含浸層が薄くなることを確認したが、特殊なプライマーの使用により、FRPストランドシートとコンクリートの付着性能の低下が抑制可能であることを確認した。さらに、非線形接着材を使用することで、シートとコンクリートの付着性能が著しく改善できることを確認した。湿潤な施工および使用環境がFRPとコンクリート界面の接着の耐久性に及ぼす影響を調べるために、高温海水による乾湿繰り返し促進劣化試験を開始した。 (4)FRPシートで曲げ補強したRC部材において、シートに垂直に作用するダールアクシンがシートの曲げ補強効果に及ぼす影響を実験及び解析的に検討した。 以上の研究結果をもとに、査読付き論文(英語)4件を発表した。なお、査読付き論文(日本語)1件及び論文概要(日本語)1件は投稿中である。
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Research Products
(6 results)